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江戸時代に花開いた日本の独楽

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手の平の中で粋な江戸独楽は眠るがごとく静かに廻る

独楽は独自に世界各地で発生したらしく、極めて古い歴史を持ち各地で独特なものがみられる。エジプトでは紀元前1500年ころの木製独楽が発見されている。さらに紀元前3000年ころ古代バビロニアの子供の墓からも発見されているらしく、有史以前から人類の楽しみの一つとして自然に生まれたものなのかも知れない。

日本では平安時代に大陸から伝わってきており、独楽を使って遊んだという記録があるが、既に7世紀ころにコマのような木製の出土品が出ており、歴史を遡ると木の文化の日本には太古の昔からあったという説もある。

18〜19世紀にかけて、ヨーロッパで独楽が流行したが、日本でも江戸時代に独楽が大進歩を遂げた。
江戸庶民の子供たちは貝をむちゃひもでたたいて廻すもので、中身を食べたあとのばい貝を独楽にしたてていた。
博多では鉄製の心棒で背が高く長く回る独特の独楽が発達した。これがやがて伝統芸として伝わる曲芸独楽の始まりといわれている。元禄元年にその記録が残っているそうである。博多の曲独楽はやがて芸人によって江戸まで広まり、江戸独自の独特なスタイルを作り上げていった。

江戸の粋を極めた江戸曲独楽(独楽芸人が使う独楽)と江戸の洒落をきかせた江戸からくり独楽、どちらも大人も子供も廻る楽しさを存分味わえる伝統工芸品である。そんな独楽を作り続けるのが江戸独楽師広井政昭氏である。

広井政昭